作られている物が、木地を見せる塗りの物が多いですが、何故ですか?
質問の件ですが、確かにそうですね。漆には様々な色の顔料を練り合わせて色を作ります、元々精製した漆自体がべっ甲色をしてますので、白色以外ほとんどの色を出す事が出来ます、その漆を使っていろんな色の漆器を作っても面白いかもしれません。只、私が木地を見せる仕上げの木地溜(きじだめ)塗りが多いのは、変な言い方かもしれませんが、その木が育って来た人生はその年輪で表現する事しか出来ないと思います、その年輪を見せてあげる事が、その木の最高のパフォーマンスと思い必然的に多いです。又、作り手の考えで各々違うかもしれませんが、木地を見せる塗り技法は、厚く塗ると見えなくなるし、むらに塗ると木目が見える所や見えない所が直ぐに判ります、又、ケヤキや楢等のような導管(年輪の冬目)のはっきりした木は、その部分にわずかなピンホールが出ますので、それを無くして仕上げる事は、シンプルな塗りですけど一番難しい塗りだと思います、まだまだ未熟ですが、あえてその塗りにチャレンジして行きたい点も有るからです
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