少しの量ですが、初めて手黒目精製をやってみようかと思っています。行う時期や注意点等有りましたら、お教え下さい。
お問い合わせの件ですが、ご自身が求める漆でやり方、時期等が変わります。底艶の有る漆を求められるので有れば、日の当たらない時間からナヤシを良く掛けて下さい、艶消しの漆を求められるので有ればナヤシを余り掛けず、黒目て下さい。少しの量と言う事ですが、仮に1Kg以下でしたら、その場合は丸桶や捏ね鉢等の方が良いかもしれません、私の持っているフネの場合は、逆に少ない量だと黒まりが早くなりすぎてしまいます、要するに黒める漆の量と黒目のフネの大きさは比例していると言う事です。時期については、その土地の気温・湿度と関係しますので何時が良いとかははっきりと言えません、ちなみに私の住んでいる木曾漆器産地、此処では5月後半〜7月半ば、9月前半終わり〜10月前半位が出来る時期だと思います。夏の暑い時期だけは止めた方が良いです、漆の温度が51度を超えると、不乾漆になってしまいますから、只、不乾漆を作るのなら別ですが・・・。その事を踏まえると、黒める所が西日本でしたら9月前半は気をつけた方が良いですし、北日本でしたら、夏場も出来る可能性が有ります。又、寒い時期にストーブを焚いて行う、寒黒目と言うのもあります。乾きの早い漆・遅い漆・透け具合の良い漆等、ご自身の求める漆によって時期や方法が違いますので、一度やって見ると次回以降の判断材料になると思います。頑張って下さい。
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