少しばかり、摺り仕上げをしている者ですが、仕上がって見るとブツブツとゴミの様な者が着いている感じがします。綺麗に仕上るコツをお教え願えますでしょうか?。
お問い合わせの件ですが、実物を良く見ないと確りした事は言えませんけど、摺りと言う技法は一番簡単な漆を掛ける方法です。けれども、突き詰めて行くと、大変難しい技法です。生漆を使う一般的な摺りの場合、まず初めに、必ず漉す作業をした漆を使うと言う事です。大抵の方は、桶やチューブ入りの漆をそのまま取り出して使う方がいますが、そのままの生漆は、簡単な荒漉しをした状態ですので、極小さな物ですがゴミが入っています。同じ様に透き漆や黒漆も荒漉しをした状態ですので、試しに透きや黒の漆を漉さずに塗ってみると、ゴミの多さが判ると思います。生漆は塗る事に使う事が無く、乳白色の色をしていますので、ゴミが見え難い事から、殆どの方が綺麗な状態で売られていると、勘違いしていると思います。下地や布貼りに使う事が主で、漆掛けでも摺り仕上げの場合は、拭き取ってしまうので、その場ではゴミが判り難いからです。けれども、乾くとゴミが判ると言う仕上がりになります。アドバイスとして、生漆を漉す場合、漉し紙だけで漉そうとしても、水分が多いので破けてしまいます、画像の様に一番外側に番手の細かい純綿の寒冷紗(かんれいしゃ)を使って漉し紙を包み、ゆっくりと漉してみて下さい。
もう一つは拭き取りに何を使っているか?と言う事です。
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