以前、摺り板見本の画像が掲載されていましたが、どれ位の種類(技法)が有るのでしょうか?。差し支え無ければお教え下さい。
ご質問の件ですが、摺り技法は木地に直に漆を摺り込んで行く技法で、余分な漆を綺麗に拭取る事から、拭き上げ技法とも言われています。簡単な技法に思われるかもしれませんが、突き詰めて行くと仕上げの種類の多さに感ずると思います。一つは素地に漆を摺り込んで行く事を、数回重ねて行く方法で、一番簡単に出来る方法です。其れより一つ手を掛けると、欅や楢等の導管が有る素地の場合に、途中で目摺り錆を施して、少し導管の目を埋めて(完璧に導管を埋めるのではなく)摺りを重ねる方法が有ります。更に手を掛けるとなると、途中や最初の段階で漆や錆で導管が埋まる様に施し、途中で水研ぎを数回し摺りを重ねる、目止めの摺りが有ります。その目止めの摺りも、鏡面の様に磨きを掛ける方法も有ります。又、夫々が黒摺りや赤摺り等、様々な色で仕上げる事も出来ます(発色に於いては綺麗に出ませんが)し、一般的に摺りの仕上がりは艶の出る技法ですが、特殊な方法として、夫々を艶消しに仕上げる事も出来ます。
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