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◆ひのき箆について
ひのき箆について 1
漆器を作るには様々な道具を使います。ほとんどの物が市販で有る物は少ないですし、有ってもそのまま使う事も少ないです、その為自分自身で作ったり、加工し直す物が多いです。画像は、ひのきの箆(へら)で、主に下地をする時に使います。糊と漆を混ぜたり、布等を貼る時や、一辺地等からの下地付け時等に使います。丸木を縦方向に、専門の刃物で薄くミカン割りにして、長角の板状にします、その板を対角線状に切って(同じ形の物が2枚取れます)から箆の形に仕上げて行きます。日頃からお世話になっている東京の漆器道具を扱っているお店からのご注文で、2種類のサイズを100枚仕上げたました。その前にも40枚仕上げ送ったのですが、箆先を「塗師屋小刀」(画像に写っている)で薄く削り仕上げるのですが、慣れないと親指に豆が出来るくらい、きつい作業です。今では苦にならない作業になりました、是も年の功でしょうか?

ひのき箆について 2
最近売られているひのきの箆は、材自体がひのきでない物が多いです、又ひのきで有っても木目の粗い民材が多いです。ひのきはその素性から、官材と呼ばれている物と民材と呼ばれている物が有ります。官材は一度も植え替えられたり、植林された事のない、いわゆる天然林で、民材は植え替えられたり植林されて育った材です。植林された木から落ちた実から育った木でも、植え替えられる事が無く育てば、官材になります。人間の手が加えられなければ、その育ちはとてつもなく遅く、年輪の詰まった木に育ちます。画像の箆は官材を加工した物で、使っていても粘りが有り、木目に沿った縦割がし難いです。プラスチック製の物も有りますが、道具もやはり良い物が使いやすいです、昔は簡単に官材が手に入りましたが、今では手に入り難かったり、高価で有ったりして良い箆を扱うお店や材料屋さんが少なくなりました。私自身は様々な方の繋がりやご協力により、変わらぬ材を安定して入手する事が出来ます、本当に有難い事です。感謝!


◆くじら箆について
くじら箆について 1
漆の道具の一つに、くじら箆が有ります。くじらの髭と言われる物の、髭状の部分を取り除いた板状の部分を使います。それを箆に加工して、画像の様に、際にはみ出た漆をすくい取る箆として使い、上塗りの時には必需する物です。他にも蒔絵の置き目の時とかにも使います、中には漆をすくう時等の漆箆等に使う人も居ますが、昨今の鯨保護の問題から、最近ではくじら箆の入手が困難になって来ました。箆自体はかなり硬質な物ですので、簡単に減る事は少ないですが、漆をすくい上げる等の用途には、他に使える物が有りますので、大事に長く使っていく事を考えると、私自身はお勧めしません。

くじら箆について 2
画像の左上が、私の持っている加工する前のくじら箆です。ちなみにサイズは、長さ30cm、巾3cm、厚み4mmの物です。そのままの物を、先端を斜めに薄く削って加工し、箆として使う人が居ますが、箆自体で使う時は、表面の艶の有る硬い部分が大事で有り、そのまま加工して使うには勿体ないです。無駄なく使うには、長さを半分にし、その物の巾を半分にし、さらに箆の厚みの真ん中を、胴付き鋸で半分にします、そうする事で両側の強い部分を無駄なく使えますし、枚数も合計8枚の物が採れます。そのままですと、厚みが半分になった事で、ペラペラな箆になり使い物にならないので、裏側に檜の板を着ける事でしなりの強い箆として使いやすくなります(画像参照)、又短くなって行っても最後まで使い切る事が出来ます。只、厚みを半分にする事は慣れないと難しいですし、まかり間違うと箆が使い物にならない、短いボロボロな物しか採れない事になり兼ねないです。


◆まゆみの油箆について
まゆみの油箆 1
まゆみの木を油に漬けて、ある程度浸透したら加工する前に余分な油を炙り出して拭き取り、塗し屋小刀で先端を薄く削り仕上げます。油に浸け置くのは、薄く削り出した部分の、しなりを出す為、又削りやすくする為、それと箆に付いた漆が直ぐに乾かないようにする為です。初めのうちは油っぽくて、表面の油が漆に混ざるのではと思うでしょうが、微々たる物で影響は有りません。まゆみの箆はその他に、水に漬け置いて下地の時に使う水箆としても使ったりします。

まゆみの油箆 2
まゆみの油箆は、クルクルと廻しながら漆を絡めて取ったり、どんぶり等の器から漆を空けたり、常磐(作業台)から、すくい採ったりする時に使う箆(へら)です。内丸の形に綺麗に沿りますので、器の中の漆を無駄なく始末する事が出来ます。ヒノキ箆を使う人もいますが、縦割れが少ないですし、くじら箆は高価ですので、それらと比較しても優れていると思います。漆は高価で貴重な物です、僅かな量でも綺麗にすくう事が出来ますし、扱いやすい箆です。


◆まゆみの油箆の作り方

.潺ン割りしたまゆみの板材を、有る程度(5mm位)まで薄く削り、油を入れた深めのビンに浸け置きする。浸け置きするのは、箆に「しなり」を出す事等の他に、油を吸う事で中に有る僅かなヤニが吹き出てくれるからです。この状態で早くても1年以上置きます、使える目安としては、上の小口まで油が染み出てこれば良いです。※アドバイスとして、古い物から使うと言う事で、投入の日付を記入しておくと便利です。
▲咼鵑ら取り出した材の油をボロ布で確り拭き取り、バナー等の火を当てながら吹き出る余分な油を、更に拭き取ります。この時は、焦がさない様に素早く動かし、当てる位置も代えて(裏・表・前後)行い、極力吹き出なくなるまでが目安ですが、正直経験が必要かもしれません。只、あまり遣り過ぎると、油が抜けて黄色っぽい色が白くなって「しなり」の出ない物になってしまいます。(再び浸け置きしてやれば戻ります)。※熱した油が吹き出るので火傷に注意して、軍手等をして作業した方が良いです。
拭き取り出来た箆板を、使いやすい厚さまで鉋で薄くする、因みに私の場合は3.5mm位に仕上げます。まゆみの板はミカン割りにしても逆目が出ますので、削る方向を確認し「しなり」具合を見ながら、塗師屋小刀で箆先を薄く削って行きます。※アドバイスとして、ビンに投入する時に削る先端部を見極めて、先端部を下に投入した方が良いです。
ぁ屬靴覆蝓弑餽腓蓮⊆尊櫃忙藩僂靴討澆覆い函夫々の使う丼の大きさや丸み具合、扱う漆の粘土等で好みが違って来ますし、サイズ(幅)も違うと思います。サイズ(幅)も最低大小2種類作る事をお勧め致します。因みに最先端部の厚みは、0.3mm位に仕上げます。


◆カイマワシ箆
カイマワシ箆
漆器作りの下地の工程で、隅切りの部分等を埋めて行く作業が有ります。木地そのままのの形状で仕上げる場合も有りますが、掃除のし易さを考慮して、殆どの物は僅かなアールを付けて仕上げるのが基本です。その時に用いるのがカイマワシ箆で、刻芋(こくそ)箆とも言います、普通の箆と違い、箆先を三角にし先端部は素材が残る様に、切り落とした加工にします。画像は刻芋をカイ廻した品物と箆ですが、この後の錆下地の時にも使います、使う部分の形状や深さによって、その都度使う箆は違います。使う素材はマユミが使い易いと思います、桧箆では柔らか過ぎて減りが早いので、直ぐに削り直したり、若しくは何本も用意しなくてはなりませんが、マユミ材だとその必要が無いからです。まれに、プラ箆を加工して使われている方も居る様ですが、それと比べても腰が有りますし、カイ廻す木地が桧の様な柔らかい素材の場合にも、強く当てても傷が付き難いです。只、まゆみの素材は硬く、油箆と違い、素のままを削りますので、削る時はその硬さに難儀するかもしれません。


◆突き出し箆について
突き出し箆 1
塗り刷毛を使う前に、硬化防止の為に染み込ませている油を、絞る様に突き出したり、又塗った後に漆を搾り出し、その後に油を着けて数回搾り出しを繰り返す、刷毛洗いの時に使う専用の箆です。画像は2寸刷毛を、上から押す様に突き出しているところです。搾り出す油が極力綺麗な色になるまで、繰り返し行います。

突き出し箆 2
画像は、8分刷毛を同じく突き出しているところですが、1枚目の画像と違い手前から被せる様に箆を当て、引きながら絞り出しています。小さな刷毛の場合は、毛の長さも短く、毛厚も薄いので、1枚目の画像の様に上から押さえながら突き出すと、大きな力が必然と掛かり毛自体も傷みやく、又切り出した毛の根元部分の漆を、綺麗に搾り出す事が出来ず、早くに刷毛が漆で固まりやすいです。その為、小刷毛の場合は、引きながら突き出す方が良いと思います。

突き出し箆 3
画像は、私が使用してい幾つか有る突き出し箆のひとつです。上が押して搾り出す箆で、私が持っている1.3寸以上の刷毛を突き出す時に使います、下は引いて突き出す箆で、1.2寸以下の刷毛を突き出す時に使います。長さや巾は勿論違いますが、切り出した毛の根元の漆を少しでも絞り出せる様に、先端部の厚みが違い、特に小刷毛用は薄く加工して有ります。材は短くなったマユミ箆を加工して使っていますが、一般的には柘植が良いようです。
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