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漆の保管 1
一般的に漆は、画像のようなボール紙で作られた、4kg・2kg・1kg等の桶に入れて販売されています。使う時は蓋紙を剥がし、使う量をヘラですくい上げて丼等に移し、乾いて膜が貼らない様に、又蓋紙を被せます。その時金へら等で周りの漆を、こそぎ落して行けば良いのですが、乾漆状の塊が漆の中に常に落ちて行き、最後の方はその塊が多くて、逆に漉しずらく無駄になる漆が多いので、一般的には何もせずそのままの状態にして扱います。蓋紙の縁や際の部分はどうしても乾きます、剥がしたり被せたりを繰り返す事で、画像の様にこびり付いて行きます。漆器作りをされている工房へ伺った方が、漆を見せて下さいと言えば、「此れが漆です」と同じ様な感じの漆桶を、見られたと思います。


漆の保管 2
私自身は、桶の周りにこびり着いて残る漆が勿体無く思え、常に丼へ移します。画像の一番大きな丼は直径24cm高さ9cmで1.7kg位まで入ります、この大きな丼を十数個用意してあるので、桶入の漆を手に入れた時や、手黒目し終えた漆を最初に移し別け入れます、常時扱うには、大きく重いので、あくまでも主な保管用として用いています。漆は常に冷やして置いた方が良いですので、その点を考えてもボール紙の桶よりも良いと思います。その漆を使う時は、画像右上の一般的な大きさの丼に移します、約500g近くは入りますので、この丼の漆を主体に、使う量をヘラで採って使っています。画像一番したは、塗り終えて残った漆を保存している茶碗です。茶碗の漆は使う場合、出した後常に綺麗に出来るので良いですが、丼の方は常時出したりを繰り返す事が無く、たまに扱うので、剥がしたり被せたりを繰り返すと、やはり周りがこびり着いて行きますので、有る程度になったら、綺麗にして新しいラップを被せ直します。その為、私の漆を入れてある丼は、こびり着きの少ない状態の物が常です。


漆の保管 3
私が使う漆は、自分で手黒目した漆だけでは有りません、下地や布貼りに、又一般的な摺り仕上げ等にも使う生漆や、研いで艶を出して仕上げて行く、呂色仕上げの漆等は桶入れの物を仕入れています。前述にも有るように、その漆も丼に移して扱っています。画像はその漆が入っていたボール紙の桶です、全て綺麗に移しますので、私の工房に有る漆桶は全てこの様な状態です。漆は採るにも僅かづつしか採れませんし、地道な作業で量になります、一滴でも無駄にしたくないので、その都度移したり綺麗に始末して行く事は、時間も使いますし大変ですが、漆は木から採れる血の一滴です、その手間を惜しむようでは、漆を扱う者としてなさけ無い感じがします。
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