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摺りと言う技法は漆塗りでは無いのですか?。
回答者: Situgei 掲載日時: 27-Nov-2008 12:08 (1205 回閲覧)
ご質問の件ですが、摺りと言う技法は木地に主に生漆を染み込ませ余分な漆を綺麗に吹き上げて乾かし、その工程を数回繰り返して行く技法で、拭き漆とも言います。木目を見せる代表的方法で、黒漆を使えば黒摺り、朱の漆を使えば赤摺り等、摺り仕上げも様々な色摺りが出来ます。漆塗りと言えば漆塗りですが、私自身は漆を懸ける技法の一つだと思っています、あくまでも塗りと言うのは、刷毛で塗り仕上げる方法も用いた技法だと思うからです。摺りと言う技法は、漆塗りの中の技法としては初めてされる方でも、覚えやすいと思います、極めて行けば逆に難しい処も有りますが、漆塗りを専門として物作りの世界に入られた方は別でしょうが、木工等を専門にされる方が塗装の方法として覚えられ、漆塗りですと言う様に表記されて売られているのも、それほど難しい技法ではないからです。只、摺りと言う技法は、余分な漆を綺麗に拭き上げて乾かすを繰り返す技法ですので、総体的に漆の層は非常に薄いです、その為洗う事を繰り返す食器等の場合は、角が薄く擦れて木地が出て来てしまいますので、耐久性と言う事では余り長持ちはしません、摺り技法でも出来るだけ耐久性の有る方法も有るのですが、あくまでも、家具等に向いている技法だと思います。おごった言い方になるかもしれません、漆塗りを生業とした者から言いますと、摺りしか出来ない方に漆「塗り」をしてあるんですよと言われると、漆を塗る事で品物の価値を上げようとした感じがして、摺りしか出来ないからでしょうと思ってしまいす。塗り本来がどれだけ難しいのかを知ったうえでなら納得出来ますが・・・。


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