手黒目精製の漆を、売っていただく事は可能なのでしょうか?。
回答者: Situgei 掲載日時: 19-Jun-2010 19:07 (1582 回閲覧)
ご質問の件ですが、良く訪ねられる問い合わせです。私が毎年手黒目をしているのは、自分自身の為に行っている事で、販売する為にしている訳では有りません。手黒目精製は拌棒の動かし方や速度で、同じ日に同じ漆を用いても微妙に違う仕上がりになります、それほど個性が出る作業で、市販の機械精製の漆の様な、誰が塗っても同じ様な表情に仕上がる物と違い、自分の漆に仕上げる事が出来ます。仮にお売りする場合、一人の人間がすると想定した場合、機械精製の場合は1機で25Kgを黒目る事が出来ますが、手黒目精製は後始末の事等を考慮すると、精々15〜16Kgが限度かと思います。増してや機械精製だと、後始末の荒漉しも、遠心分離機(大抵の精製工場では備えています)が使えるので、3機位を同時に稼動する事も出来ます。1日で出来る荒身の量が、方や75Kg、方や16Kgでは、同じ漆でも5倍くらいの金額で売らないと、合わなくなります、4Kgで6万円の漆なら30万と言う事です。「気に入った漆だから、苦労してまで精製する事はない、お金で買えば良いんだ」と、安易に考える方が少なからず居ますので、お断わりしています。
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