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よくある質問 > 木曾漆器について
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 木曾漆器について
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以下はカテゴリ内に掲載されているFAQです。
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回答者: Situgei 掲載日時: 06-Jul-2010 17:17 (4217 回閲覧)
お問い合わせの件ですが、実物を良く見ないと確りした事は言えませんけど、摺りと言う技法は一番簡単な漆を掛ける方法です。けれども、突き詰めて行くと、大変難しい技法です。生漆を使う一般的な摺りの場合、まず初めに、必ず漉す作業をした漆を使うと言う事です。大抵の方は、桶やチューブ入りの漆をそのまま取り出して使う方がいますが、そのままの生漆は、簡単な荒漉しをした状態ですので、極小さな物ですがゴミが入っています。同じ様に透き漆や黒漆も荒漉しをした状態ですので、試しに透きや黒の漆を漉さずに塗ってみると、ゴミの多さが判ると思います。生漆は塗る事に使う事が無く、乳白色の色をしていますので、ゴミが見え難い事から、殆どの方が綺麗な状態で売られていると、勘違いしていると思います。下地や布貼りに使う事が主で、漆掛けでも摺り仕上げの場合は、拭き取ってしまうので、その場ではゴミが判り難いからです。けれども、乾くとゴミが判ると言う仕上がりになります。アドバイスとして、生漆を漉す場合、漉し紙だけで漉そうとしても、水分が多いので破けてしまいます、画像の様に一番外側に番手の細かい純綿の寒冷紗(かんれいしゃ)を使って漉し紙を包み、ゆっくりと漉してみて下さい。


もう一つは拭き取りに何を使っているか?と言う事です。


回答者: Situgei 掲載日時: 19-Jun-2010 19:07 (1583 回閲覧)
ご質問の件ですが、良く訪ねられる問い合わせです。私が毎年手黒目をしているのは、自分自身の為に行っている事で、販売する為にしている訳では有りません。手黒目精製は拌棒の動かし方や速度で、同じ日に同じ漆を用いても微妙に違う仕上がりになります、それほど個性が出る作業で、市販の機械精製の漆の様な、誰が塗っても同じ様な表情に仕上がる物と違い、自分の漆に仕上げる事が出来ます。仮にお売りする場合、一人の人間がすると想定した場合、機械精製の場合は1機で25Kgを黒目る事が出来ますが、手黒目精製は後始末の事等を考慮すると、精々15〜16Kgが限度かと思います。増してや機械精製だと、後始末の荒漉しも、遠心分離機(大抵の精製工場では備えています)が使えるので、3機位を同時に稼動する事も出来ます。1日で出来る荒身の量が、方や75Kg、方や16Kgでは、同じ漆でも5倍くらいの金額で売らないと、合わなくなります、4Kgで6万円の漆なら30万と言う事です。「気に入った漆だから、苦労してまで精製する事はない、お金で買えば良いんだ」と、安易に考える方が少なからず居ますので、お断わりしています。


回答者: Situgei 掲載日時: 26-May-2010 19:01 (1519 回閲覧)
お問い合わせの件ですが、どうしてもと言えば対応致しますが、基本的にはお受けしたく無いと言うのが本音です。漆にも良い点ばかりでなく弱点も有り、紫外線に弱い事等です、それともう一つ最大の欠点が有ります。それは殆どの液体と融合してしまう事で、水・油を初め科学塗料共混ざってしまう事です、前出のご質問に際しても述べた様に、その点を利用する人に執っては、最大の利点ですが、私は最大の欠点だと思います。私が考える漆器の良い点の一つに、修理が出来る事だと思います、プラスチック等の樹脂に塗った場合、どの様に直すのか難儀するでしょうし、逆に直す事を止めて溶解して樹脂自体をリサイクルす事が出来るのか?、疑問です。又ガラスの場合は、ガラス自体に漆を直接塗っても剥離します、その為普通はプライマーを一度塗り、その上に漆を塗り仕上げます。その為ガラスにも同じ様な言えます。その事を踏まえると、ガラスや樹脂に塗る事は好みません、ガラスはガラスの良さ、樹脂は樹脂の利点が有ります、付加価値のみを上げたいが為に、漆を塗るのはどうかと思います。


回答者: Situgei 掲載日時: 19-May-2010 21:57 (1291 回閲覧)
ご質問の件ですが、刷毛の切り出す長さは、使う漆の粘度、使う場所(塗る品物の造形)等によって違って来ます。又、毛板の厚みによっても違ってきます、極端に粘い漆を塗るのでなければ、厚刷毛ならば必然的に長めに切り出さなければなりませんし、薄刷毛ならば短く切り出す事になります。更には、毛板の密度が濃ければ腰が有りますし、薄ければ腰が無いので、切り出す長さも変わります。参考になるか判りませんが、60本以上使用している手持ちの中から、数例上げますと、5分刷毛で「毛厚2mm弱・長さ4.4mm」、8分刷毛で「毛厚3.5mm・長さ6mm」、1寸刷毛で「毛厚4mm弱・長さ8mm」、1.5寸刷毛で「毛厚4.5mm・長さ11mm」です。あくまでも一例で、同じ1寸刷毛でも「毛厚3mm・長さ6.5mm」と言う物も有ります。先にも記載した様に、刷毛の寸法は使う漆によって違ってきます、私は手黒目の漆を主に使いますので、機械精製の漆と比べて格段に粘度が低くサラサラした漆なので、厚刷毛だと扱い難いので薄刷毛ですし、切り出す長さは普通より短い方だと思います、ですのであくまでも私が使う場合と考えて下さい。ちなみに、他の産地の方や漆塗りをされている方が、私の所に来て刷毛を見た時、薄い事と切り出しの短さに驚いて行かれます。


回答者: Situgei 掲載日時: 22-Apr-2010 19:06 (1256 回閲覧)
ご質問の件ですが、対応出来ない事は無いと言うのが正直な処です。過去にも幾つか頼まれて作った事があります、依頼者の希望等でサイズは様々で、一番多く作ったのは、フネの開口部で長さ約120cm、巾約70cm弱の物です、必然的に拌棒もそれに見合ったサイズになります。因みに、昔からの作りだと、各留めの部分(コーナー)に三角の当木をして作ります、私も今まで頼まれた物はその様に作りました、けれども「手黒目精製について」の画像に有る私のフネは、当木で埋めない単なる留めの状態で作りました。当木は補強の意味も有りますが、最後の漆を穴から外に送り出す作業で、返って当木が無い方が綺麗に始末出来る事、それと黒目の作業の時、端の漆も確り持ち上げる事が出来、量が多い時は少しでも黒目る時間を短くする事が出来るからです。フネは使う人が黒目る量との兼ね合いでサイズは決まりますので、一概に値段を出す事は出来ませんが、正直前出のサイズで、4万・5万でも作りたく無いと言うのが本音です。外側には補強の板を組み込みますが、本体に使う材は無垢板だと、返って割れが出て使い物になりませんから合板ですが、朝顔状の開口した作りは、非常に難しい物で、大工さんの知識を必要とします。ご自身で作るとなれば、その難しさが判って頂けるとおもいます。拌棒は長時間の作業になる場合、軽い方が良いのでオール桧です。そんな事から、作るとなればかなりの時間を頂きたい事と、値段はサイズにより違いますので、ご相談のうえと言うご返答になります。


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