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回答者: Situgei 掲載日時: 11-Jun-2009 21:03 (1357 回閲覧)
ご質問の件ですが、ご依頼の品物の大きさや、元々の手間の掛け方(作りの工程の複雑さ)等、又傷み具合等や修理の方法で違ってきますので、一概に表の様な物を掲載すると言う事は出来ません。大まかな一例ですが、私の品物に関しては数年後に塗替えをと頼まれた場合、酷い欠損や傷みが無く、傷見の補修等で済む様な塗り直しでしたら、依頼を受けた時点の売価の約6割で受けております、売価8.000円のさゆり椀でしたら、同じ仕上げにした場合4.800円位と言う具合です。ちなみに、他の人や産地で作られた、同じような大きさのお椀を同じように塗り替えた場合も、同じ位の金額になります。只、実際には実物を見てみないと、はっきりした見積りを出せないと言う事が正直なところです。修理の画像で、あえて金額を掲載して無いのは、それを参考にして依頼をされても、正直傷み具合や修理の方法の違いで困る点が有りますし、依頼主のプライベートな事に関わってきますので掲載していません。お問い合わせの項目より、必須事項を書き込んで送信頂ければ、折り返し当方のメールアドレスをお送りしますので、そこに添付ファイルで品物の画像を掲載頂ければ、ご相談のうえ大まかな見積りをお知らせ出来ると思います。ご検討下さい。


回答者: Situgei 掲載日時: 18-Mar-2009 09:42 (1537 回閲覧)
質問のやり取りから、お使いになっているのが、主にチューブ入りの漆をお使いの事が判りました。漆にはウルシオール・水・水溶性多糖類・糖蛋白・酵素ラッカーゼ等の成分が含まれています。混ぜ合わせる事なく、そのままの状態で長く置くと、それらの成分が分離して綺麗な層をなしてしまい、特にチューブ入りの生漆の場合は、長く置いた物をそのまま搾り出すと、成分が分離したままの漆になってしまい、乾きが落ちてしまいます。長期に置いた漆を使う場合は、全てを搾り出して、全部を混ぜ合わせてお使いになった方が良いです。同じ様に精製した漆もチューブ入りだけでなく、桶や丼に入れて長く置いた漆の場合でも、練り合わせて使った方が良いです。長く入れ置いた漆の場合に桶や丼の底に塊が残ります、それを満遍なく練り合わして使う事が非常に大事です。


回答者: Situgei 掲載日時: 19-Feb-2009 18:39 (1300 回閲覧)
ご質問の件ですが、工房に来られた方や取材に来られた方にも、よく言われます。私が記載している事は、決して新しい事ばかりを記載しているのではなく、先人達が行って来ていた事で、隠し事にする必要も無いと思います。言い回しは良くないですが、真似をするなら「どうぞ」と言う感じです。只、漆黒目にしても舟一つ作るにも簡単に出来ませんし(上に向かって開口している、アサガオ型を作る事は難しいです。)、毎年1回行っても10年で10回しか出来ないので、何処で止めて良いか難しい作業です。又、刷毛の切り出し一つにしても、同じ様に毎年違う刷毛1個を切り出しても、10年で10回しか覚える事が出来ません。漆器作りには様々な工程が有りますが、それにも増して様々な道具を使い、それを加工する為の道具が要ります、要するに道具を作る為の道具が要ります。余談になりますが、同じ器を作る分野で、焼物やガラスと比べた場合、焼物やガラスは5年経てばそれなりの造形を作る事が出来るでしょう、漆器作りの世界は形すら出来ないでしょう、それほど覚えなければならない事が有るからです。話を元に戻しますと、それほど経験と技術が必要な世界ですので、簡単に出来るものでは有りませんし、くどい様ですが隠す必要はないと思います。只、自分の作品を真似されるのは、デザイン保持の観点から不快ですし、私自身も売れているからと、安易に他の人の作品を真似て作る、モラルの無い作り手にはなりたくないです。


回答者: Situgei 掲載日時: 11-Feb-2009 07:59 (2283 回閲覧)
ご質問の件ですが、あくまでも趣味の一環として打っていますので、品物を求められに来られたお客様に振舞っています。ちなみに、地元の方に頼まれて打った場合、10人前で4000円頂いております。


回答者: Situgei 掲載日時: 22-Jan-2009 12:09 (1560 回閲覧)
ご質問の件ですが、2つの良くない事が有ります。一つは、こくそが硬化して行く際、生の木粉の場合収縮率が高いので、因り刻芋自体が凹みます。その為、特に修理等の板剥の部分の割れた所を埋めた場合等は、時間が経つと両側に突っ張られて、又割れが出て来ますし、同じように内角部分のかい廻しの場合もひび割れが出ます。二つめは、刻芋を作る際、勿論米糊自体を充分冷ましてから練り合わせると思いますが、其れでも生の木粉の場合僅かな微生物が居て、その為米糊漆と言う餌になる物が来る事で傷みやすくなります、最初は気づかないですが、長年経つとボロボロと簡単に剥がれます。試しに、生の木粉で作った刻芋を何かに着けて数年後に確認して視て下さい。以上、2つの点でお勧め致しません、作る上で参考にして頂ければ幸いです。


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